覲礼の最初の一句は、すでに郊外から始まる。「覲禮。至于郊,王使人皮弁用璧勞」――郊外で、天子は皮弁をかぶった者を遣わし、璧を持たせてねぎらわせた。全篇に年も国名も人名もなく、「侯氏」「天子」「某日」があるだけである。これは儀礼の台本であって、ある一度の朝見の記録ではない。「侯氏」は来朝した諸侯と一般に理解され、この篇は彼に国名を与えない。二つのページが役割を分ける。このページにある名目は「覲」ひとつ。もう一つのページ、『周礼』秋官司寇の大行人の条は、春朝・秋覲・夏宗・冬遇・時會・殷同の六つの名目を並べるが、この篇はそれが並んでいることだけを伝え、優劣はつけない。

一、郊外――玉を受け、玉を返す

ねぎらいも出迎えも皮弁のままである。「侯氏亦皮弁迎于帷門之外,再拜」――侯氏も皮弁で帷門の外に出て迎え、二度拝した。「使者不答拜,遂執玉,三揖」――使者は拝を返さず、そのまま玉を執り、三度揖した。階では「使者不讓,先升」――使者は譲らずに先に上がる。侯氏は上がって命を聴き、降りて「再拜稽首」し、ふたたび上がって「受玉」する。そして「使者左還而立,侯氏還璧」――使者は左に回って立ち、侯氏は璧を返す。受け取り、返す。璧は品物ではなく、符信である。続いて侯氏は「束帛、乘馬」で使者に報い、使者はそれを受けて、「以左驂出」――車の左の驂馬を引いて出ていく。

それから短い言葉が二つ。天子は宿舎を与えて言う。「伯父,女顺命于王所,賜伯父舍」――伯父よ、王の所で命に従え、伯父に宿舎を与える。「某日,伯父帥乃初事」――某日に、伯父よ、おまえの初めの務めを率いろ。日取りは天子が与える。その前に諸侯の立ち位置があった。「同姓西面北上,異姓東面北上」――同姓は西向きで北が上、異姓は東向きで北が上。同姓と異姓は入場のときから分かれて立ち、篇末の四つの呼び名はこの一線から生える。

二、入朝――車と旗と玉

その日、侯氏はまず二つのことをする。「侯氏裨冕,釋幣于禰」――裨冕を着け、まず父の廟に幣を置いて告げる。次に「乘墨車,載龍旂、弧韣乃朝以瑞玉,有繅」――墨車に乗り、龍旂を載せ、弓袋を載せ、瑞玉には繅を添えて朝する。天子の側は一句だけ。「天子設斧依於户牖之間,左右几。天子衮冕,負斧依」――戸と牖の間に斧依の屏風を設け、左右に几を置く。天子は衮冕で、屏風に背を向けて座る。天子が口を開く。「非他,伯父實來,予一人嘉之。伯父其入,予一人將受之」――ほかでもない、伯父がまことに来た、予一人はこれを喜ぶ。伯父よ、入れ。予一人がこれを受けよう。

次はこの場で最も細かい一連の動作である。「侯氏入門右,坐奠圭,再拜稽首」――侯氏は門を入って右に立ち、坐して圭を地に置き、再拝稽首する。「擯者謁」――擯者が取り次ぐ。「侯氏坐取圭,升致命」――侯氏は坐して圭を取り、上がって使命を致す。「王受之玉」――王がその玉を受ける。侯氏は降りて、階の東で北面して再拝稽首する。擯者が「升」と延べ、「升成拜,乃出」――上がって拝を成し、そして出る。置き、拝し、取り、上がり、致し、受け、退く。

三、四享と、右の臂をあらわすこと

次は献り物である。「四享皆束帛加璧,庭實唯國所有」――四度の享はいずれも束帛の上に璧を加え、庭に満ちるものはその国の有するまま。「奉束帛,匹馬卓上,九馬随之」――束帛を捧げ、一頭の馬が先に立ち、九頭の馬がこれに従う。「中庭西上,奠幣,再拜稽首」――中庭に西を上にして並べ、幣を置き、再拝稽首する。擯者が「予一人將受之」と言い、侯氏は上がって使命を致し、「王撫玉」――王は玉を撫でるだけである。続いて「降自西階,東面授宰幣」――西階から降り、東面して宰に幣を渡す。西階の前で再拝稽首し、「以馬出,授人,九馬随之」――馬を引いて出て、人に渡す。玉は天子に、幣は宰に、馬は外へ。

務めが終わってもう一節ある。「事畢,乃右肉袒于庿門之東」――事が終わると、廟門の東で右の臂をあらわす。「乃入門右,北面立,告聽事」――門を入って右に立ち、北面して、聴命を告げる。擯者が天子に取り次ぎ、天子の答えは九字である。「伯父無事,歸寧乃邦」――伯父に事はない、帰っておまえの国を安んじよ。侯氏は再拝稽首し、出て、屏の南から門の西へ回り、門を入って左に立ち、北面する。王が「勞之」――ねぎらう。再拝稽首し、「升」と延べられ、上がって拝を成し、降りて出る。ページが与えるのは動作と「告聽事」だけで、礼の意味は説明しない。この篇も、それを請罪に読み替えない。

四、車服の賜与と、四つの呼び名

次は賜与である。「天子賜侯氏以車服。迎于外門外,再拜」――天子は侯氏に車と服を賜い、侯氏は外門の外で迎えて再拝する。車はまず並べられる。「路先設,西上,路下四,亞之,重賜無數,在車南」――路を先に設け、西を上とし、路の下に四、これに次ぐ。重ねての賜は数なく、車の南にある。賜品のうち最も要るのは一つの箱である。「諸公奉篋服,加命書于其上,升自西階,東面,大史是右」――諸公が篋に入れた服を捧げ、その上に命書を載せ、西階から上がり、東面する。大史が右に立つ。「侯氏升,西面立。大史述命」――侯氏は上がって西面して立ち、大史が命を述べる。侯氏は降りて両階の間で北面して再拝稽首し、上がって拝を成す。「大史加書于服上,侯氏受」――大史が書を服の上に置き、侯氏が受ける。使者が出て、侯氏は送り、再拝し、「束帛、四馬」で使者に報いる。諸公で服を賜った者にも同じくし、大史にも同じくする。

この篇の骨は最後の数句にある。「同姓大國則曰伯父,其異姓則曰伯舅。同姓小邦則曰叔父,其異姓小邦則曰叔舅」――同姓の大国なら伯父、異姓なら伯舅、同姓の小邦なら叔父、異姓の小邦なら叔舅。同姓か異姓か、大国か小邦か、二つずつを組み合わせて四つの呼び方。呼び終えて、わずか六字である。「饗,禮,乃歸」――饗があり、礼が済み、そして帰る。

五、後半のページ――壇、方明、四つの祭法

同じページの後半は別の一組を始める。数字もそろっている。「諸侯覲于天子,爲宫方三百步,四門,壇十有二尋、深四尺,加方明于其上」――諸侯が天子に覲するときは、宮を方三百歩にし、四門を設け、壇は十二尋、深さ四尺、その上に方明を置く。方明は木の板である。「方明者,木也,方四尺」――方四尺で、六色を設ける。東は青、南は赤、西は白、北は黒、上は玄、下は黄。六玉を設ける。上は圭、下は璧、南は璋、西は琥、北は璜、東は圭。五等の爵はそれぞれ自分の旗の下に立つ。「公、侯、伯、子、男,皆就其旂而立」。天子は「乘龍,載大旂」で出て、まず「拜日於東門之外」――東門の外で日を拝し、戻って「祀方明」――方明を祀る。「禮日於南門外,禮月與四瀆於北門外,禮山川丘陵於西門外」――南門の外で日を礼し、北門の外で月と四瀆を礼し、西門の外で山川丘陵を礼する。最後の四句は四つの祭法。「祭天,燔柴。祭山、丘陵,升。祭川,沉。祭地,瘞」――天を祭るには柴を燔き、山と丘陵を祭るには升し、川を祭るには沈め、地を祭るには埋める。記にはさらに三句あり、その一つは「偏駕不入王門」。この段に「會同」の二字はなく、この篇もそれに名を与えない。

  • 礼書の台本であって実録ではない。全篇に年も国名も人名もなく、「侯氏」「天子」「某日」があるだけ。「某年、某侯が来朝した」とは書かない。
  • 二つのページの分担。儀礼のこのページは儀節の全体を与え、周礼の大行人の条は六つの名目(春朝、秋覲、夏宗、冬遇、時會、殷同)を並べる。有るということだけを書き、等級はつけない。
  • 名物は名だけ。皮弁、璧、帷門、斧依、裨冕、衮冕、墨車、龍旂、弧韣、瑞玉、繅、束帛、方明、六玉は、そのまま写し、解釈も形制の補いもしない。
  • 数字と手順はそのまま写す。四享、匹馬卓上九馬随之、束帛乘馬、束帛四馬、宫方三百步、四門、壇十有二尋、深四尺、方四尺、六色六玉、いずれも換算しない。
  • 注と解釈は本文に入れない。肉袒は動作と「告聽事」だけを書き、ページは礼の意味を説明しない。「侯氏」は来朝した諸侯と一般に理解される、とだけ記す。
  • 「周代朝貢制度」の通論を書かず、後世の朝貢との比較もしない。分線として、使者の派遣、初対面、国君の饗宴、叔孫通の朝儀はそれぞれ別の篇である。

一日はこうして終わる。郊外で皮弁のまま玉を受け、また返し、宿舎と日取りは天子が与える。入朝すれば斧依に背を向け、跪いて圭を置き、取り、使命を致す。四享は一頭が先で九頭が従い、天子は玉を撫でるだけ。そして右の臂をあらわして命を聴き、「伯父無事,歸寧乃邦」の一句を得る。車服を賜わり、大史が命を述べる。最後に四つの呼び名で締め、六字で終わる。規則はここまで精緻で、その中の人は名を持たない。

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参考資料・関連文献

  1. 《仪礼·觐礼》(维基文库本,白文无注,页头未标 textquality,未与中华书局点校本复核;页名作「覲」) — A lord's audience written as a script, with no year, state or name. Outskirts: 覲禮。至于郊,王使人皮弁用璧勞; 侯氏亦皮弁迎于帷門之外,再拜; 使者不答拜,遂執玉,三揖; 使者不讓,先升; 侯氏升聽命,降,再拜稽首,遂升受玉; 使者左還而立,侯氏還璧; 侯氏用束帛、乘馬儐使者; 使者降,以左驂出. Lodging and date: 天子賜舍,曰:「伯父,女顺命于王所,賜伯父舍!」; 天子使大夫戒,曰:「某日,伯父帥乃初事。」; 諸侯前朝……同姓西面北上,異姓東面北上. The audience: 侯氏裨冕,釋幣于禰; 乘墨車,載龍旂、弧韣乃朝以瑞玉,有繅; 天子設斧依於户牖之間,左右几。天子衮冕,負斧依; 非他,伯父實來,予一人嘉之; 侯氏入門右,坐奠圭,再拜稽首; 侯氏坐取圭,升致命。王受之玉; 擯者延之,曰:「升!」升成拜,乃出. Presentations: 四享皆束帛加璧……匹馬卓上,九馬随之; 王撫玉; 侯氏降自西階,東面授宰幣……以馬出,授人,九馬随之. Bared arm: 事畢,乃右肉袒于庿門之東。乃入門右,北面立,告聽事; 天子辭于侯氏,曰:「伯父無事,歸寧乃邦!」; 王勞之. Grant: 天子賜侯氏以車服; 諸公奉篋服,加命書于其上……大史述命; 大史加書于服上,侯氏受; 儐使者,諸公賜服者,束帛、四馬. Address: 同姓大國則曰伯父,其異姓則曰伯舅。同姓小邦則曰叔父,其異姓小邦則曰叔舅. End: 饗,禮,乃歸. Second half: 諸侯覲于天子,爲宫方三百步,四門,壇十有二尋、深四尺,加方明于其上; 方明者,木也,方四尺,設六色……設六玉……; 公、侯、伯、子、男,皆就其旂而立; 拜日於東門之外,反祀方明; 禮日於南門外,禮月與四瀆於北門外,禮山川丘陵於西門外; 祭天,燔柴。祭山、丘陵,升。祭川,沉。祭地,瘞; 記: 几,俟于東箱。偏駕不入王門。奠圭于繅上. The page has no 會同 and no 朝、宗、遇 names.
  2. 《周礼·秋官司寇》(维基文库本,白文无注,页头未标 textquality,未与中华书局点校本复核;大行人条在整页之内,无独立分页) — The second page is used only for the list of names and the office that holds the rite: 大行人,中大夫二人; 大行人:掌大賓之禮及大客之儀,以親諸侯。春朝諸侯而圖天下之事,秋覲以比邦國之功,夏宗以陳天下之謨,冬遇以協諸侯之慮。時會以發四方之禁,殷同以施天下之政;時聘以結諸侯之好,殷覜以除邦國之慝;間問以諭諸侯之志,歸脤以交諸侯之福,賀慶以贊諸侯之喜,致禬以補諸侯之災。以九儀辨諸侯之命,等諸臣之爵,以同邦國之禮而待其賓客. The same passage then grades the gifts by rank (執桓圭九寸, 繅藉九寸, 冕服九章, 建常九斿, 貳車九乘, 介九人, 禮九牢, 其朝位賓主之間九十步; 執信圭七寸, 繅藉七寸, 冕服七章, 建常七斿, 貳車七乘, 介七人, 禮七牢, 朝位賓主之間七十步; 諸伯執躬圭; 諸子執穀璧五寸, 繅藉五寸, 冕服五章, 建常五斿, 貳車五乘, 介五人, 禮五牢, 朝位賓主之間五十步; 諸男執蒲璧), and the outer zones each come to court at their own interval (侯服歲壹見, 甸服二歲, 男服三歲, 采服四歲, 衛服五歲, 要服六歲, 蕃國世壹見). This article quotes only the six-name sentence and the office, and does not rank the six names.