小屋の下、鵝が細かい干し草の巣に伏している。その腹の下にあるものは卵ではない。白木を刻んだ偽の卵だ。この書は、巣ごとに一つずつ置いて「これを欺く」よう命じる。そうしなければ巣に落ち着かず、そこらじゅうで勝手に産んでしまうからだ。
雌三羽に雄一羽
種は選ぶ。年二回孵すものだけを残す。三回孵すものは冬の寒さで雛を失うからだ。割合は鵝が雌三に雄一、鴨が雌五に雄一。鵝は最初のひと腹に十数個、鴨はその数倍を産み、後の腹は少なくなる。「常に五穀を足らしめて飼えば、子多く生ず」。餌が足りなければ産む数も減る。
巣は小屋の屋根の下、「猪・犬・狐・狸に驚かされる害を防ぐ」ために設け、細草を厚く敷いて暖め、その一つ一つに木の卵を据える。卵は産み落とされるなり取り上げ、柔らかな細草の下の暖かい場所に移す。巣に置いたままにすれば凍えて雛が死ぬ、と書かれている。
大きな鴨なら二十個
抱かせる数は決まっている。大きな鵝なら十個、大きな鴨なら二十個、小さい鳥ならその分を減らす。それ以上では抱ききれないからだ。何度も立ち上がる鳥は抱き役に向かない。逆に、まったく立たない鳥は手をかける必要がある。五六日ごとに餌を与え、立たせて水浴びさせる。長く伏せたままでは痩せて体が冷え、抱いても温まらない。
鵝も鴨もひと月で孵る。孵る前の四五日が最も静けさを要する。太鼓を打つ音、糸車の音、大声、豚や犬、米を搗く音を聞かせてはならない。灰の水を振りまくことも、産後まもない女に来てもらうことも禁じる。禁忌を破れば、雛は殻の中で殺され、あるいは孵ってもまもなく死ぬ。これは当時の人々の考えであって、生物学の結論ではない。ただ、それが規則として書かれたこと自体、抱く鳥を驚かせる危険をどれほど真剣に受け止めていたかを示している。
出たその最初の食事:填嗉
孵った雛は別の籠に入れ、まず粳米の粥を与える。一度に腹一杯食べさせるのを「填嗉」(そのうを満たす)と呼ぶ。その後は粟飯に、刻んだ苦菜と蕪菁の若葉を添える。水は清水を与え、濁ったら替える。替えなければ泥が鼻を塞いで死ぬ。
水鳥は水を欠かせないが、水に浸け続けてもいけない。「臍がふさがる前に長く水の中にいれば、冷えきって死ぬ」。籠の高いところに細草を敷いて寝かせ、十五日は籠から出さない。早く出せば、力が弱いだけでなく冷え、烏や鷹の餌食になる。
餌も違う。鵝は五穀、稗、草、菜だけを食べ、生きた虫は口にしない。鴨はほとんど何でも食べ、水稗が熟すころが最もよく肥える。厨房に回すなら、子鵝は百日を過ぎてから、子鴨は六七十日目が良い。それより古いと肉が硬い。六年を超えた鵝鴨はもはや抱かず、「去らしむべき」とある。
決して孵らない卵たち
もう一つの道がある。卵を塩漬けにするのだ。雌鴨だけを残し、雄を一羽も入れず、粟と豆をたっぷり与える。すると一羽で百個も産む。雄がいないのだから抱いても雛にはならない。食べるほかなく、「いたずらに生まれぬ命の咎を負わずに済む」というわけだ。漬け方は、杬木(えんぼく)の皮、無ければ虎杖の根か牛李の根を洗って刻み、煮て汁を取る。汁二斗に塩一升、熱いうちに塩を入れて溶かし、汁がすっかり冷めてから甕に卵を沈める。温かいままだと卵が悪くなる。ひと月で食べられ、塩が奥まで回ると卵は浮いてくる。呉のあたりではこれを数十斛も作り、長く置くほど良く、夏を越せるという。
鵝を一羽、焼き網へ
巻九の「搗炙法」が最も細かい。脂ののった子鵝の肉を二斤、細かすぎぬよう刻む。良い酢三合、瓜の漬物一合、葱の白一合、生姜と橘の皮を各半合、胡椒二十粒を粉にする。全部を混ぜてさらに刻み合わせ、肉を竹串に巻きつける。卵を十個割って白身だけを取り、まず一度塗って肉を粘らせ、その上に黄身を塗る。「ただ烈火で一気に炙る」。焦げ目がつき、汁が出れば焼き上がりだ。
「銜炙法」は子鵝を一羽まるごと使う。きれいに下ごしらえし、半煮にして骨を抜き、刻んで豆の酢、瓜の漬物、生姜、橘の皮、小蒜、魚醤の汁、胡椒の粉と混ぜ、細かく刻んだ白身の魚の肉で包んで焼く。鴨はもっと簡単で、脂ののった鴨の骨を抜いて切り、酒、魚醤の汁、生姜、葱、橘の皮、豉の汁に「一炊のあいだ」浸してから炙る。
境界ははっきりさせておきたい。『斉民要術』は農書であり、書かれているのは方法と基準であって献立ではない。これらの料理には酢、魚醤、卵、香辛料が要る。米と菜園のある農家にようやく手の届く話だ。本に値段はなく、普通の家が何羽飼ったかも書かれていないし、北朝の人々が鵝をよく食べた証拠にもならない。確かなのは手順と、その手順の背後にある経験知だ。木の卵を巣に入れ、母鳥を安心させてひと月伏させ、雛が出たらまず粥を一杯。そこには現代の読者が共有しないだろう信仰も、並んで記されている。
参考資料・関連文献
- 賈思勰《齊民要術》卷第六·養鵝鴨第六十(Jia Sixie, Essential Techniques for the Common People, juan 6, chapter 60, "Geese and Ducks") — Breeding ratios of three female geese to one gander and five female ducks to one drake; nests under a shed with fine grass and a carved wooden egg to make the bird settle; ten eggs under a large goose and twenty under a large duck; the quiet required in the last days before hatching; rice gruel as the chicks' first meal, called 'filling the crop'; clean water and a raised bed of fine grass; goslings eaten after a hundred days and ducklings at sixty or seventy; and the method of salting duck eggs in a decoction of vang wood bark.
- 賈思勰《齊民要術》卷第九·炙法第八十(Jia Sixie, Essential Techniques for the Common People, juan 9, chapter 80, "Roasting") — Recipes using goose and duck: minced goose bound with egg white and grilled over a fierce fire; a whole parboiled goose minced with vinegar, pickled melon, ginger, orange peel and fish sauce, wrapped in minced white fish; and fat duck boned, cut up and marinated before grilling.




